無題
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- 坂本 三次郎1921-2016
- 制作の時間は夜明けから日暮れまで、時期は毎年、雪が解けてから再び雪が積もるまで。材料は、周囲から集めてきた草や石、木、時には野菜やデッキブラシなども。制作スペースは食堂裏の空き地、東屋のベンチなど。坂本は、材料を施設周辺から拾い集めてきては...
坂本 三次郎
1921-2016
制作の時間は夜明けから日暮れまで、時期は毎年、雪が解けてから再び雪が積もるまで。材料は、周囲から集めてきた草や石、木、時には野菜やデッキブラシなども。制作スペースは食堂裏の空き地、東屋のベンチなど。坂本は、材料を施設周辺から拾い集めてきては並べて置くというこの行為を、70歳頃からはじめ、亡くなる2016年まで続けた。坂本によるこの行為は、あたかも、子どもが、ガラクタや人形などに向かって、親しみを込めて向き合うかのようであった。関心をくすぐる材料の感触を確かめながら並べ、そこに広がる風景を見つめることで、外界を知覚していたといえるのかもしれない。
作品は、縦40cm×横70cmほどのパネルに印刷された写真で、草や木や石などが地面に規則性をもって並べられたり、枠を作っていたりする様子が写っている。坂本は入所施設の空いたスペースに、草や木を並べる行為をしていた。写真から、坂本のこの行為の様子が伝わってくる。