無題
キャンヴァス、油絵 910×727
- 今村 花子1979-
- 今村は、夕食で配膳された食べ物やお菓子を畳やテーブルに配置する行為を約30年にわたって続けていた。本展では、それらの配置行為の跡を彼女の母親が撮影した写真と、地元の絵画教室で制作した絵を展示した。 写真を見ていると、決して無造作に配置したの...
今村 花子
1979-
今村は、夕食で配膳された食べ物やお菓子を畳やテーブルに配置する行為を約30年にわたって続けていた。本展では、それらの配置行為の跡を彼女の母親が撮影した写真と、地元の絵画教室で制作した絵を展示した。
写真を見ていると、決して無造作に配置したのではないことが読み取れる。お米とおかずの均整の取れた組み合わせ、果実の向きを揃えた配列、素材ごとに整理した配置など。それらはすべて彼女の繊細な感覚によって行われている。
今村の表現行為を最初に評価したのは彼女の母親であった。母親は、今村の表現を否定せず、むしろ愛着を抱き、毎日「記録」する形で関わり続けた。撮影時間が夜ということもあり、薄暗い写真やピントが合っていない写真が散見される。しかし、それが記録物としてのリアリティを醸し出している。