五色の色とその他の色
綿刺繍糸、綿布 730×1530
- 田中 乃理子1979-
- 田中は、20年以上にわたり、縫いによる制作を続けている。制作は、数ある色の中から5色もしくは7色の糸を選ぶことから始まる。選んだ糸を一組として使用し、一筋ごとに色を変え、隣に沿わせて慎重に縫い進めていく。縫い目には留めがなく、ただまっすぐに...
田中 乃理子
1979-
田中は、20年以上にわたり、縫いによる制作を続けている。制作は、数ある色の中から5色もしくは7色の糸を選ぶことから始まる。選んだ糸を一組として使用し、一筋ごとに色を変え、隣に沿わせて慎重に縫い進めていく。縫い目には留めがなく、ただまっすぐに縫っている様にも見えるが、始めと終わりには一度返し縫いをし、引っ張っても抜けないようにと工夫が施されている。目の揃った緻密な縫いは、月日をかけ布の端から端へと帯状に広がりやがて面となる。また、その過密な縫いが布を引っ張り、それにより生じる全体的なゆがみは、視覚的な味わい深さへとつながっている。