フェイス
紙、ジェルボールペン、油性ペン 295×210
- 山崎 恵一1972-
- 色々なことが気になり目を離すとふらりとどこかへ行ってしまう恵一さん。そんな彼が絵を描き始めると一変。ものすごい集中力で脇目も振らず絵の世界に没頭していく。 描き始めの頃描いていたのは□〇△のみ。同じ形を整然と並べることを好み、紙一面に形を描...
山崎 恵一
1972-
色々なことが気になり目を離すとふらりとどこかへ行ってしまう恵一さん。そんな彼が絵を描き始めると一変。ものすごい集中力で脇目も振らず絵の世界に没頭していく。
描き始めの頃描いていたのは□〇△のみ。同じ形を整然と並べることを好み、紙一面に形を描いていた。
ある時、「しあわせなら てをたたこう」の歌にあわせ喜怒哀楽を顔で表現する活動をきっかけに、〇の中に笑った顔を描いた事がこの作品の始まり。まるでコピー?と思わせるような同じ顔。繰り返し同じものを並べることが得意な恵一さんならではの作品である。色の塗り方にもかなりのこだわりがあり、顔は一色という既成概念に捉われることなく、細かく線で区切り色とりどりに色を塗り仕上げていく。あまり自分の気持ちを話すことのなかった恵一さんだが、色を塗りたい強い気持ちからペンが写らなくなると「ペン、買ってください。」と自ら訴えてくれるようになった。アートの力で恵一さん自身にも変化が起こり、私も「アートの力」に驚かされている。(木村理恵/支援員)
顔が6つ。上に3つ、下に3つ並んでいる。
ひと息に描いた輪郭。上の段は四角形っぽい、下の段は面長という感じ。一つ一つ輪郭は違うが、表情は皆同じ。山型の眉、猫のような目、アルファベットのWのような鼻。鼻の穴もある。口は開いていて、三角のとがった歯が上下に並んでいる。一点、歯の数だけが左端は上に3本、下に2本で、真ん中の顔には上6本、下5本、右端だけは上下とも数えきれないほどびっしりと並んでいる。
色は余白なく塗られている。左端の上下は目の中以外は全く同じ色分けをされている。
頭部に赤、真ん中に少しピンク、左目の周りをオレンジと赤、顎のあたりはピンク、黄緑、緑、左のこめかみのあたりは青と水色が縦長に塗られている。残りの4つも同じ色合いで配分を変えて塗られている。
眉や目口鼻は蛍光ピンクで描かれている。
エネルギッシュなこれらの顔は怒っているような、歌っているような、話しかけてきているようである。