机
机(木材、金属、木ネジ)、カッターの刃 机:760×1800×700、レントゲン写真:420×298
- 辻野 正三1949-
- 辻野さんは就労継続支援B型事業所青い空で仕事をしている。 仕事の内容は、ティッシュボックス程度の大きさの箱を開けて中身を取り出すといった流れ作業。辻野さんは箱を止めているテープをカッターナイフで切って次の人に渡す役割だ。1年、2年、3年、、...
辻野 正三
1949-
辻野さんは就労継続支援B型事業所青い空で仕事をしている。
仕事の内容は、ティッシュボックス程度の大きさの箱を開けて中身を取り出すといった流れ作業。辻野さんは箱を止めているテープをカッターナイフで切って次の人に渡す役割だ。1年、2年、3年、、、と仕事を続けるうちに辻野さんの席の前の作業机だけ徐々に膨らんできた。作業机を横から見ると机の間にはカッターナイフの刃がびっしりと挟まっていた。辻野さんはカッターナイフの切れ味が悪くなると刃を折り、机に差し込んでいたのだ。枚数が増えるにしたがって刃は入りにくくなった。入りにくい刃は金槌で叩いて入れていった。机から刃が飛び出しているところもあり、作業をするのに危険だからとスタッフに止められても、机に刃を差し込み続けた。辻野さんはその仕事を6年6か月続けた。
その過程で、机が変形しすぎて作業しにくくなり、一度天板の交換が行われ、その時にカッターナイフの刃は少し取り出されている。
辻野さんがカッターナイフの刃を机に差し込む理由は、机を補強するためとのこと。
(津野雅人/支援員)
机の側面。
天板と底板の間を埋める木材が見える。その合間に鋼のような素材も混ざっている。その鋼はぎっしりと詰まっている。心なしか、机の天板が膨らんでいるようにみえる。