フードフィギュア
樹脂粘土、水彩絵の具、接着剤、ニス、トイレブラシ 90×220×30
- 坂本 絵里1990-
- 和食、洋食、中華、スイーツ、…美味しそうな匂いが漂ってきそうな、本物と見紛う程リアルなフードフィギュアを制作する絵里さん。10年ほど前から制作を始め、これまでに1000個以上の作品を作ってきた。 制作のきっかけは粘土でのマカロン作りを紹介す...
坂本 絵里
1990-
和食、洋食、中華、スイーツ、…美味しそうな匂いが漂ってきそうな、本物と見紛う程リアルなフードフィギュアを制作する絵里さん。10年ほど前から制作を始め、これまでに1000個以上の作品を作ってきた。
制作のきっかけは粘土でのマカロン作りを紹介するテレビ番組を見たこと。失敗を何度も繰り返し、試行錯誤を重ねる中で自分なりの技法や工夫が編み出されていった。
絵里さんの作品の魅力は、ただの食品サンプルに留まらずクスッと笑える表現がなされていること。こぼれた味噌汁、食べかけのショートケーキ、食べ残しの鮭の皮や骨、剝きかけのみかん。人の営みを感じさせる瞬間を切り取ることが、作品をよりリアルで温度のあるものに感じさせる。
食べ物であることで身近な感覚を抱く作品ではあるが、一つの作品に施された手数や道具の数、費やされた時間は計り知れない。粘土や樹脂、パテを使い分け、ニスやレジンを重ね、乾くのを待ち、また手を加える。無数の工程を経て出来上がった作品は自信に満ち、凛と佇む。
「作品を見てくれた人に笑顔になってもらいたい」と語る絵里さん。制作や作品を介した出会いによって自分を更新し続けている。(新田千枝/アートサポートセンタースタッフ)
長方形のお皿の上に塩ジャケ。真ん中が少しほぐされている。お皿の右端に骨がまざった身がよけてある。骨を口から出した時に一緒に吐き出したのだろうか。左端には黄色く丸いたくあんが2枚と梅干が1つ。シャケの皮の部分の微妙な色合いなど本物と間違えて食べてしまいそう。とても美味しそうだ。