無題
紙、マーカー 178×252
- 美濃部 責夫1968-2020
- 水性ボールペンを用い、顔を支持体に限りなく近づけ、一定の間隔で少しずつ色を刻み付けるようにして描く。美濃部による行為の蓄積は、紙面にリズムを生み出し、きめ細やかな表情を作り出していく。2000年ごろから絵を描き始め、現在は平日の午前や夕食前...
美濃部 責夫
1968-2020
水性ボールペンを用い、顔を支持体に限りなく近づけ、一定の間隔で少しずつ色を刻み付けるようにして描く。美濃部による行為の蓄積は、紙面にリズムを生み出し、きめ細やかな表情を作り出していく。2000年ごろから絵を描き始め、現在は平日の午前や夕食前の空き時間など、自身が描きたいと思ったタイミングで制作に臨む。しかし、絵を描く時間は、1時間にも満たない。それは、制作の準備をするときも片付けるときもこだわりがあり、決まった手順でゆっくりと時間をかけるからである。描くスピードもゆったりとしており、A4サイズ程度の大きさとなると、1枚を埋め尽くすのに、およそ3か月はかかる。
全体の4分の1ほどを赤、残りは深い青、一部に水色や薄緑など、異なる色彩の面が連なる作品。
ペンの線を少しずつ並べて塗った面は、同じ青の面でも微妙な色調の変化がある。
左端の赤い面の部分には、所々、隙間から先に塗られた黒っぽい色がのぞく。
細い線で彩った面は、素朴な生地のように見え、異なる色彩の面と面は、端切れを重ねたように見える。