無題
インクマーカー・紙 795×2570
- 江戸 雄飛1997-
- 江戸は教室に通い始めてから、クレヨンやアクリル絵の具などいろいろな画材で画面を色で覆うような作品を描いてきたのだが、最終的に辿り着いたのはマジックで言葉を書き留める表現だった。新聞やテレビなどで見聞した言葉を声に出しながら前かがみになったり...
江戸 雄飛
1997-
江戸は教室に通い始めてから、クレヨンやアクリル絵の具などいろいろな画材で画面を色で覆うような作品を描いてきたのだが、最終的に辿り着いたのはマジックで言葉を書き留める表現だった。新聞やテレビなどで見聞した言葉を声に出しながら前かがみになったり、しゃがんだりして、床に敷いた紙に全力で書きなぐり続ける。時として300以上にもなる折り重なった文字は、判別不能な混沌とした線の固まりになる。創作途中、職員が記録する彼の発した言葉が正しく記録されているかを確かめる場面が何度もある。作品の完成は、その記録された単語の数を計算し、総数を書き記した時である。線とともに画面に重層されているのは、彼の記憶と彼の時間、そして彼の声なのだ。