無題
鉛筆・紙 251×351
- CANKTLE(キャンクト)生年・居住地不詳
- 最近まで五則野わらじという名前でアール・ブリュット展をはじめとする数々の展覧会に出品してきたCANKTLEが、新しい美術家名で登場したのは、東京藝術大学美術館で開催された「あるがままのアートー人知れず表現し続ける者たちー」以来である。CAN...
CANKTLE(キャンクト)
生年・居住地不詳
最近まで五則野わらじという名前でアール・ブリュット展をはじめとする数々の展覧会に出品してきたCANKTLEが、新しい美術家名で登場したのは、東京藝術大学美術館で開催された「あるがままのアートー人知れず表現し続ける者たちー」以来である。CANKTLEは、精神を病んだある時期から絵を描き始め、描くことが自己解放につながり、制作を続けてきた。CANKTLEの描画は、漫画用紙に丸ペンで描く細かな線を次々とつないで形が積み上げられる。無意識に重ねていく線の連なりが等高線のように様々な密度で組み合わされ、画面の濃厚度が決定される。線の隙間が縮められ延ばされ密な部分と空白の多い画面が隣接し形が整う。こうして植物細胞を顕微鏡で覗いたかのような極小の視界が表れる。B4の用紙をついで大画面の一作品が構成される。継ぎ目が少しズレていたり、描画のない紙面が一部に生じることもある。今回の出品番号128の作品にある左下の余白がそれである。