天草湯島の猫
ちぎり絵/折り紙・紙、630 x 880
- 荒木 聖憲1994-
- 中学生の頃にTVでみたドラマ「裸の大将放浪記」で山下清の作品を知り感動してちぎり絵・貼り絵を始めた。折り紙用の色紙を小さく1mmから10mmほどまでの様々な大きさに指で粉砕し、それを爪先で拾いあげ、画用紙にスティック型の糊で貼っていく、気の...
中学生の頃にTVでみたドラマ「裸の大将放浪記」で山下清の作品を知り感動してちぎり絵・貼り絵を始めた。折り紙用の色紙を小さく1mmから10mmほどまでの様々な大きさに指で粉砕し、それを爪先で拾いあげ、画用紙にスティック型の糊で貼っていく、気の遠くなりそうな作業で絵を仕上げていく。A3からA2の画用紙なら2-3ヶ月、大作になると1年半をかけるものもある。紙片の大きさや色の違いを組み合わせ、陰影や立体感を表出する。最近では次第に技術は巧妙で独創的なものとなり、色紙で紙縒りを作って画面を部分的に盛り上げ、物体が突出して見える効果を得ている。画題は自宅で飼う猫や近辺の風景など身近なものから、曼荼羅や神話の世界、そして四季の推移をひとつの大画面にまとめた構想画にまで拡がっている。今展出品作では港の光景か、海からの成果を上げた漁師とその獲物を狙う猫の愉快な一コマ、そして地元玉名の大俵まつりの情景が活き活きと表現されている。