大工さん②
油彩・キャンバス、410 x 318
- 齋藤 泉1955-
- 3号か4号のキャンバスに描かれているのは、労働する人の姿と猫のいろいろな姿態という2種類の作品群である。どちらも黒いくっきりとした輪郭線で囲まれている。大好きな猫の絵を描いてきたそうだが、テーブルに乗っかり横たわる猫、よく見る仰向けのポーズ...
齋藤 泉
1955-
3号か4号のキャンバスに描かれているのは、労働する人の姿と猫のいろいろな姿態という2種類の作品群である。どちらも黒いくっきりとした輪郭線で囲まれている。大好きな猫の絵を描いてきたそうだが、テーブルに乗っかり横たわる猫、よく見る仰向けのポーズ、回転するものに目を奪われている猫、そして小高い丘の頂上で遠くを眺めている後ろ姿など、いずれも猫らしさを知りぬいた人の視線が掴まえたものに違いない。労働する人の像では、基礎を打つ人、火花を散らしてなにか溶断する人、壁に向かってハンマーを上げる人など、建設や土木作業に専念している人物の一瞬の動きが絶妙に表されている。1970年代後半から本格的に油彩画を始め、100号キャンバスに挑み、二科展や宮崎県美術展のような公募展にも出品してきた。現在では小さなキャンバスにアクリル画材で描くことが多くなった。親密な画題にはこのサイズが好適である。