ベル
油性ペン・紙、380 x 540
- 喜舎場 盛也1979-
- 毎朝、家族の誰よりも早く新聞受けに朝刊を取りに行きつぶさに眼を通すのが喜舎場の日課である。主目的は記事に並んでいる漢字を採集することにある。その朝見た漢字は喜舎場の脳に登録され、そのメモリから文意や語順は関係なく漢字が単発で選び出され、紙に...
喜舎場 盛也
1979-
毎朝、家族の誰よりも早く新聞受けに朝刊を取りに行きつぶさに眼を通すのが喜舎場の日課である。主目的は記事に並んでいる漢字を採集することにある。その朝見た漢字は喜舎場の脳に登録され、そのメモリから文意や語順は関係なく漢字が単発で選び出され、紙に石垣を積むように並べられる。幼少時から文字に関心が深く、見たり書いたりしていたという。15歳の頃、今の様式でぎっしりと漢字を詰めこんだ作品が登場した。一枚の紙を埋め尽したものは少なく、低い台地か崖のように紙の下辺に集中していたり左列に偏り大きな余白を残したものも多い。若竹福祉会に通所を始めた2001年以降はカラーマーカーを使って文字を書いたり、文字がドットに変わった。それが同じように順序よく並べて余白を残す作品へと展開した。違いは漢字の場合、左下隅に始点があり横か縦一列から埋めていくところを、四周から詰めていき同心形の余白にもドットが散らばっていることか。