パリシリーズ2
コラージュ/色紙・紙 900×600
- 佐久田 祐一1987-
- 街頭掲示板といえば、いまではガラスケースに入れられているので、ありえないことだが、ひと時代前、剥き出しに映画や催し物のポスターなどが貼られていた頃は、貼り重ねられ風雨に曝されて、いくつもの下の層が剥き出しになっていたりした。そんな懐かしい情...
佐久田 祐一
1987-
街頭掲示板といえば、いまではガラスケースに入れられているので、ありえないことだが、ひと時代前、剥き出しに映画や催し物のポスターなどが貼られていた頃は、貼り重ねられ風雨に曝されて、いくつもの下の層が剥き出しになっていたりした。そんな懐かしい情景が思い出されるような、文字が幾層にも貼られたパネル画が佐久田の作品である。画面内はほとんど文字で埋め尽くされている。手書き文字や印字されたものではなく鋏で切り出されたものだ。この切抜き文字のコラージュが佐久田独特のスタイルを作りだしている。
文字は食堂のメニューのように食べ物の名前と、値段を示すのか、数字も書かれている。その隙間に腕を振り上げ戯画化された人物像が配置されている。ポスターになっている「パリ・シリーズ」には、「パリ」の文字ほか、車椅子の人物や黒猫、街を行き交う女性たちの姿も見えて、シャンソンが聞こえてきそうな街頭の賑わいが伝わってくる。