オニオオハシ
ペン、インク・紙 149×100
- 姫野 暁1991-
- 姫野が動物の絵を描き始めたのは、絵画教師の勧めにより、それまで習っていた水彩画から、ペン画に切り替えた19歳のときからだ。画用紙に割り箸ペンでインクを漬けながら、下描きもなく一気に描く。黒一色で描かれた動物たちの身構えや表情が意表をついて...
姫野が動物の絵を描き始めたのは、絵画教師の勧めにより、それまで習っていた水彩画から、ペン画に切り替えた19歳のときからだ。画用紙に割り箸ペンでインクを漬けながら、下描きもなく一気に描く。黒一色で描かれた動物たちの身構えや表情が意表をついていて笑いを誘う。動物図鑑を見て描くらしいので、図鑑にもこれらに近いポーズで載っているのだろうけど、姫野流の脚色があるに違いない。種類は異なるのに、ひとつの物語に登場する仲間たちではないかと思わせる、なにか共通の息遣いが感じられる。横向きの姿勢の犀やチータは、まっすぐ前方を見つめているけれど、その他の動物たちは画面の中からこちら側へ見事に視線を向けている。描き手との密かな対話が始まったところなのかもしれない。昨年、地元別府市に開店したスターバックス・カフェに作品が常設展示されたことが、このうえなく嬉しかったそうだ。