注射
マーカー・紙、380 x 540
- 木村 茜1983-
- 木村による制作は、一定の規則性のもと繰り返される。画用紙をはみだすほど勢いよく描くため、かすれている部分や、画用紙からはみ出したマーカーが以前に描いた時の色と混ざり黒色が付着することによって、線の連なりに陰影が生まれる。一枚の絵は約2~3分...
木村 茜
1983-
木村による制作は、一定の規則性のもと繰り返される。画用紙をはみだすほど勢いよく描くため、かすれている部分や、画用紙からはみ出したマーカーが以前に描いた時の色と混ざり黒色が付着することによって、線の連なりに陰影が生まれる。一枚の絵は約2~3分で完成する。マーカーを走らせる時の「キュッキュッ」という音や、マーカーが画用紙から画板にはみ出す時の「コトンコトン」という音が気に入っているようで、木村が描く行為は、身体に伝わる感触と深く結びついている。反復し続けることの高揚感のようなものが根本にあるのかもしれない。
作品は、縦38cm×横54cmの紙に、赤もしくは青のマーカーで描かれている。作品には、「自転車」、「注射」、「スリッパ」、「げた」などのタイトルが付いている。しかし、モチーフは誰にもそれとわかるように描かれておらず、円を描くようにリズムよく上下に手を動かして何本もラインが描かれ、表現されている。