リンゴ持ちゴリラ
色鉛筆、ボールペン・紙、205 x 295
- 田中 康弘1980-
- なにげない日常の情景を捉えた田中の画面は、緻密な線と淡々とした色彩、そして隅々まで行渡る注意深い描写で充満されている。対象となる動物や人の姿だけに焦点が当たっているのではない。建物や周囲の風景、背景の処理にまで細やかな気遣いがなされている。...
田中 康弘
1980-
なにげない日常の情景を捉えた田中の画面は、緻密な線と淡々とした色彩、そして隅々まで行渡る注意深い描写で充満されている。対象となる動物や人の姿だけに焦点が当たっているのではない。建物や周囲の風景、背景の処理にまで細やかな気遣いがなされている。それでも決して神経質な描写ではなく漫画のような飄々感と仄仄とした情感に溢れているのは作家の個性によるものだろう。田中が利用している地域活動支援センターで制作活動の時間が設けられたのを契機に絵を描き始めたのは30歳を過ぎてからのことである。緻密な描写が多い作品には一月以上もかけることがあるという。