タイムボカン
色鉛筆・紙 250×350
- 冨山 健二1957-
- 人や動物の顔と身体のように見えるもの、風景あるいは乗り物のようなつながりのある形も、すべて細かいグリッドやハッチングで埋められている。簡単な線描で捉えた顔の形を大小重ねた層には疎密があり、図案化がなされているかのようだ。鳥や建物が描かれた作...
人や動物の顔と身体のように見えるもの、風景あるいは乗り物のようなつながりのある形も、すべて細かいグリッドやハッチングで埋められている。簡単な線描で捉えた顔の形を大小重ねた層には疎密があり、図案化がなされているかのようだ。鳥や建物が描かれた作品は、余白が多く完成途上にも見える。この線の疎密さや完成度の違いはどうやら制作と生活の切替え時機によるものらしい。冨山は日々手を休めることなく制作を続けている。所属施設の職員が声をかけたときにようやく制作の手が止まる。作業を再開したときには、前に描いていた部分とは離れた、紙面の他の地点へ手が移動することもあり、たまには同じ場処から充填が続けられることもある。こうして全体が線と色彩で満たされた画面もあれば、余白が新たな図案の可能性を創り出すものとなることがあるのだ。