無題
紙、サインペン 255×360
- 阿部 恵子1962-
- 口数の少ない阿部にとって、絵を描くことは大切な内面の表現だったと思われる。時には身近に起こった出来事が絵の中に現れることもあるが、そのほとんどは、具象的なモチーフであれ抽象的なモチーフであれ心に思い浮かぶままに描き出されているらしい。 生後...
阿部 恵子
1962-
口数の少ない阿部にとって、絵を描くことは大切な内面の表現だったと思われる。時には身近に起こった出来事が絵の中に現れることもあるが、そのほとんどは、具象的なモチーフであれ抽象的なモチーフであれ心に思い浮かぶままに描き出されているらしい。
生後間もなく小児脳性まひを患い、知的障害が後遺症として残った。母と死別したのち12歳で支援施設に入所し、その後いくつかの施設を変遷しながら現在に至っている。
元気な頃、とにかくいつも絵を描いていたという阿部。2019年に脳梗塞を患い、寝たきりとなり利き手である左手も動かなくなった。それでもなお、今も利き手でないほうの右手でペンを握る日もあるという。