無題
紙 364×257
- 井口 直人1971-
- おぼろげに浮かび上がる男性の顔。これは作者本人、井口の顔である。彼の日課は、コピー機に自らの顔を押し付けて、身の回りにあるものを併せて置いた上で、それを出力することである。この行為は、近所のコンビニと彼が通う施設のコピー機を使って行われる。...
おぼろげに浮かび上がる男性の顔。これは作者本人、井口の顔である。彼の日課は、コピー機に自らの顔を押し付けて、身の回りにあるものを併せて置いた上で、それを出力することである。この行為は、近所のコンビニと彼が通う施設のコピー機を使って行われる。カラーリングには、いくつかのバリエーションがあり、フルカラー、白黒、2色刷りなどで出力される。この不思議な行為は、支援員との遊びの中で生まれ、習慣化していったという。自己と周囲に存在するモノ、これらを複製し紙に定着させ続ける彼の行いは、他に類を見ないユニークな記録行為であるとともに、強烈なイメージを生み出す表現行為でもある。
作品は、カラーコピー機で出力された紙だ。自分の顔をコピー機のガラス面に押し付けて、印刷することで作品が出来上がっている。