[国際フォーラム] アジアにおける障害のある人の文化芸術のいま
Session 2 コミュニティの中にあるアート
スエブソン・サンワチラピバンさん [タイ] (バンコク芸術文化センター展示部門責任者)
コンという略称で知られる、バンコク芸術文化センター展示部門責任者。チェンマイ大学を絵画で卒業後、2007 年にパリのヴァンセンヌ・サン・ドニ大学で現代美術とニューメディアの修士号を取得。タイの現代アートシーンで多くの役割を果たす。アーティスト、美術学者として活躍する一方、インディペンデント・キュレーター、研究者としても活動。10 年間にわたる客員教授としての活動、大学のアートセンターの運営も経験。また、2010 年から 2013 年にかけて障害者ヘルスプロモーション協会の委員に任命され、人間の発達におけるアートの役割により関心を抱く。またアール・ブリュットに興味を持ち、バンコク芸術文化センターでタイと日本のアール・ブリュットをキュレーション。アーティストとしては、世界中のあらゆる場所で自分が直接経験したこと、あるいは興味を持ったことを題材に作品を制作する。
ドロレス・チャンさん[フィリピン](センター・フォー・ポシビリティーズ・ファウンデーション創設者兼事務局長)
広告、執筆、および出版において40 年の経験を持つ総合的なマーケティングコミュニケーション専門家。2006 年、センター・フォー・ポシビリティーズ・ファンデーションを設立し、彼女と同じくスペシャルニーズを持った子供の親たちに、どんな障害があってもよりよく育て、サポートし、能力を高められるような支援を推進。その情熱で、山岳州の人里離れた高地に特別支援教育センターを設立し、ブラカン州ノルザガライの第 5 級自治体に2つ目のセンターを設立。 また、障害のある子どもや個人のため、視覚芸術、音楽芸術、執筆、映画、スポーツにおける革新的で独創的なプログラム、活動、競技会の先駆者でもある。
アウン・ミンさん[ミャンマー](アートセラピスト・映画監督)
1964 年ヤンゴン生まれ。ヤンゴン医科大学を卒業後、30 年近く精神科医として勤務。2014 年以来、長編映画「髭の生えた男(Man With The Beard)」 (2022) をリリースしたばかりのインディペンデントアーティストグループ「テン・メン」の非公式リーダーを務める傍ら、臨床心理士である妻の患者とのアートセラピーなどの社会活動も続ける。2015 年、オープン・ソサエティ・ファンデーションとのコミュニティに根差したプログラムパートナーシップとしてアウン・メンタルヘルス・イニシアチブ(Aung MHI) を開始。2021 年には WHOから地域精神医療の良質な実践モデルと認定を受ける。2017年、ヤンゴンの事務局ビルで、これらのプロジェクトから生まれた作品による初の展覧会を開催。以来、ヤンゴンとミャンマー全土の民族地域の両方でさまざまなアートセラピーとメンタルヘルストレーニングを紹介・実施するとともに、計4回の展覧会を開催してきた。